DCアンプとの出会い

カメラ・音楽・オーディオは父親譲りの趣味だ。
僕が物心付いた頃にはレコード再生装置が家
にあった、テレビはないがステレオはある変な
家庭であった。

小学生の頃、父親から学校へ行く前に強制的
に交響曲を聞かされた、これがたまらなく嫌だ
った。
おかげでクラッシク音楽が嫌いになってJAZZ
を聞くようになった。

しかし今は交響曲を好んで聞いている、子供
の頃の環境がそうさせたのだろう。

再生装置にも凝った時期があった、特にアンプ
は市販のものが信用できず、アンプを自作した。

アンプの世界ではカリスマ的な存在の金田明
彦氏の設計によるDCアンプである。
ステレオアンプの電源が乾電池という一般常
識を逸脱したアンプである。
数十個の単一乾電池をハンダ付けで結び電
源にする。
手間と費用の掛かるアンプだ、しかし市販の
アンプとは違う次元の音だ。

金田氏がDCアンプを発表したのが1973年7
月号の「無線と実験」のB級無帰還DCアンプ
であった。
その後のオーディオ界はDCアンプにより大き
な影響を受けた。
「改訂版 最新オーディオDCアンプ」
1978年5月発刊

「オーディオDCアンプ製作のすべて」
音楽を愛する電子回路 上巻・下巻
2003年3月・2004年6月発刊

DCプリアンプ


bT3 AB級100W DCパワーアンプ



バッテリー電源DCパワーアンプ



−6dB/oct クロスオーバーネットワーク
30余年の間に180機種以上の様々なDCア
ンプを発表している。
DCアンプは今も進化続けている、今後が楽し
みだ。
金田氏のDCアンプに対する情熱には頭の下
がる思いだ。

しかし金田氏の誌面上の表現のせいだろうか
「アンチ金田派」も多い。
僕は、少々大袈裟な表現と歯切れの良い文
面が好きで「金田崇拝派」である。

この金田明彦氏設計のDCアンプと出会った
のはいつ頃だっただろうか。
単行本「最新オーディオDCアンプ」が発刊さ
れた1978年頃だったと記憶している。

当時仕事で通っていた札幌の電子パーツ店、
梅沢無線のS氏の奨めがあったからだ。
2A3シングル無帰還アンプを作っていた頃で
S氏にいろいろアドバイスをいただいていた。
そのアドバイスの中にDCアンプが登場した。
S氏にはパーツ集めでも大変お世話になった。

先ずは掲載のDCプリアンプの製作に取り掛
かったが当時は資金不足で完成までに5年の
歳月が掛かってしまった。

あとで気付いて驚いたが、当時勤めていた
200人程度の小さな会社に僕を含めて4人の
金田氏設計のアンプ作りをしていた人がいた。
音響関係の仕事をしていたのでオーディオマ
ニアが多かった。

指定パーツ、配線方法は無視し、入手可能な
パーツで作り上げる先輩のS氏、F氏。
僕と同じに指定パーツ、配線方法にこだわる
後輩のB君。
B君は金属加工が得意で会社のフライス盤・
旋盤・ボール盤などを駆使してAB級180Wの
難しいケース加工をしていた。
ただ発振に悩まされて完成したと聞いてい
ない。


ここ10年ほどオーディオ熱が冷めていたが昨
年末(2003年)地元のコーラスグループの第
九を聞いた感動で一気にオーディオ熱が再燃
した。

今度は、最新型DCアンプの製作に挑戦し
よう。
目標である「自宅をコンサートホールに」が実
現できそうな気がする。

2004/11/20




追記

最近気が付いたがDCアンプファンには白金田と黒金田の2系統があるらしい。
白金田は金田氏の設計を尊重(?)し自分なりの設計を加える。
黒金田とは部品の細部までこだわる完全コピー派だ。
私は黒金田になる、しかも「まっくろくろすけ」だ。

なぜ私は完全コピーか?
◎DCアンプの初期に金田氏は「部品や配線方法を変えると必ず音は悪くなる」との教えを
 忠実に守り続けている。
◎本来のDCアンプの音を確認したい。
 MJ誌の記事の最後に本機の音として金田氏の評価がある、アンチ金田派は自画自賛としか
 思えないだろうが、この記載内容を確認したい。
◎電子回路のスキルが低い。
 ラジオ少年の頃から電子回路の知識は発達していない、専門の金田氏に対抗できる訳がない。
 勉強しなければ。
◎部品配置やケース加工など合理的に考えてあり変更の余地がないと思える。
以上の理由による。

しかし細部には少しオリジナルに逆らっているところがある。
◎アンプ前面のレタリング文字が嫌いなので金田氏が後面に使っているシンプルなレタリングを
 前面に使っている。
◎基板上に抵抗、コンデンサが斜めに配置されているところをリード線を曲げて縦横を揃えている。
◎隣り合わせのランドには7本より線は使わず部品のリード線を折り曲げて結線する。
 その方が合理的に思うが部品交換は面倒だ。
 
この配線方法に付いて「MJ無線と実験」2009年3月号に掲載があった、
 本文「たとえ隣どうしでも、リード線を配線代わりに使わない。」・・・
 4oリード線を延ばした場合と4oを7本より線で結線とで音に影響するだろうか?
 ハンダ付け箇所が増えるデメリットの方が音に影響するのではないだろうか?
 疑問もあるが完全コピー派としては従うようにしよう。       2009/2/12追記


いずれにせよ白黒の表現は好きになれない、白はまだしも黒はイメージが悪い。
黒星・腹黒・暗黒などなど。

私は「完全コピー派」としているが「完全コピー」も芸が無いような気がする。

2008/9/19

再 生 装 置
 レコードプレーヤー  Technics SL−1100 + SAEC WE−308SX
 bP79 ターンテーブル制御アンプ
 Technics SL−120 + SME3009
 カートリッジ  DENON DL−103
 CDプレーヤー  PIONEER PD−7070
 DAコンバータ  bP96 D/Aコンバーター
 プリアンプ  bP94 MC/CD兼用真空管プリアンプ
 パワーアンプ  bP69 6C33C−B ハイブリッドパワーアンプ
 スピーカー  ALTEC Valencia(846B)
 CORAL H−100
 806−8A + 811B
 416−8A
 −6dB/oct クロスオーバーネットワーク
                                2015年10月現在


  









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