バッテリードライブ
B級10WDCパワーアンプ


「音の革命DCアンプの設計と製作」掲載
乾電池でDCアンプを駆動する方法が
発表されたのは1985年頃だったであろ
うか。

ナショナルの単一ネオハイトップを直列に
数十個つなぐのである。
一般的にアンプの電源はAC100Vの家庭
用電源を使用する、この常識を打ち砕くのが
金田明彦氏である。

しかし乾電池を大量に使う経済的な問題と
電池を直列にハンダ付けをする面倒さとで、
この頃からDCアンプに付いていけなくなっ
てしまった。
しばらくアンプ作りも「無線と実験」の購読
も止めていた。

1989年1990年、単行本「これがDCアン
プだ!音の革命DCアンプの設計と製作」
上下巻が発売された。
サブタイトルが「時空を超えた音楽再現」
となっている、いかにも金田氏の表現だ。

この中に非常にシンプルなパワーアンプ
の製作記事が載っていた。

記事中に「たった10Wのアンプから風のよ
うな風圧も、爆発するようなフルオーケスト
ラも再現できる」とある。
この金田節に誘われて久し振りのDCアンプ
の製作に取り掛かった。

どうせ作るなら超小型化しよう。
そうして出来上がったのがこの手のひら
サイズのDCパワーアンプだ。

この頃から抵抗、コンデンサー、配線材の
方向が指定された。
面倒そうだが慣れてしまえば苦にならない。

電源は±15Vと±30Vで単一電池を60
本使う、しかもナショナルのネオハイトップ
の黒に限る。
しかしネオハイトップを使ったのは完成後1
回だけだった、その後水銀0のタイプになっ
た、環境負荷を考える止むを得ない。

音の劣化を防ぐために接点は極力減らす
設計だ。
電源のON・OFFはキャノンコネクタを抜
き差しで行う。
スピーカー端子を使わず回路から直接ス
ピーカコードを引き出す。

純粋な直流電源のため音は非常に素直
で透明感のある音だ。
高能率のスピーカーで再生しているので
パワー不足は気にならない。

パワーアンプ部
手前のFETが初段のFD1840
終段は2N3055・MJ2955


+30V定電圧電源部


−30V定電圧電源部
入手困難な2SA556を使っている。



1992年4月13日 完成


  









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